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年金生活者が陥る老後破産や下流老人の特徴と対策

こんにちは、スズロウです。

近年、「老後破産」や「下流老人」とう言葉をよく耳にするようになりました。

ゼロ金利、インフレ、上昇が止まらない教育費、社会保険料、税金。公的年金の不足の一方、伸びる平均寿命…。日本国民の生活状況は、次第に厳しさを増す一方です。

老後破産とは

老後破産とは、定年後の年金生活において「お金が足りなくなり、生活に困窮する状態のこと」を指します。

明治学院大教授である2014年に河合克義さんが推計した数字では、3,200万人いる高齢者の中で実に300万人が、生活保護基準よりも低年収である可能性を示唆しています。

つまり、16人に1人が老後破産の状態にあり、独居高齢者に限れば3人に1人にも上る恐ろしい数字となっています。

「老後破産」の怖いところは、現役時代に平均的な年収を稼いでいた方はもちろん、高収入だった方の中にも老後破産に陥るケースは多くあるという事です。

住宅ローンで退職金を使い果たしてしまったケースや、親の介護や子どもの就職失敗、熟年離婚など予期していなかった出来事でマネープランが狂ってしまったケースなどがあります。年金収入のみに頼る状態では、当初のプランが容易に崩壊する可能性が高いと言えと思います。

将来もらえる年金額がいくらか、そして老後の生活費はいくらを想定しているのか、シミュレーションができていない方は老後破産に陥りやすいといえます。

老後破産となる理由

  • 年金受給額が思ったよりも少なかった
  • 老後には医療費や介護費用がかる
  • プライドが高く生活レベルを落とせない
  • 教育費など子どもに関する費用負担がある
  • 定年退職後も住宅ローンが残っている
  • 投資知識がないまま退職金を運用してしまう
  • 想定外の出費が発生した

下流老人とは

「下流老人」の著者の藤田孝典氏によると下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者及びその恐れがある高齢者」と定義し、生活支援の実体験から下流老人には次の3つが「ない」としています。

3つの「ない」

  • 収入が著しく少「ない」
  • 十分な貯蓄が「ない」
  • 頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)

今まで普通の生活を送っていた人が、親の介護で仕事を辞めたり、認知症を発症したり、うつ病で働けない子どもの面倒を見続けなければいけなかったり。1つか2つのきっかけで、あっという間に下流化していってしまう恐ろしさがあります。

下流老人にならないための選択肢は多いほうがいいはずです。お金のない人ほど情報が必要なのに、積極的に取ろうとしない事が問題を深刻化させる原因だとも言えます。

高齢者が貧困に陥るパターン

  • 本人の病気や事故により高額な医療費がかかる
  • 高齢者介護施設に入居できない
  • 子どもがワーキングプアや引きこもりで親に寄りかかる
  • 熟年離婚
  • 認知症でも周りに頼れる家族がいない

高齢者の生活保護受給状態

生活保護は、病気や失業などの理由で自力で生活することができない人が頼る最後のセーフティーネットです。

年金を受け取っていても生活保護の申請を行うことができますが、受給している年金の額が生活最低基準額よりも高くない場合に限ります。また、住宅ローンが残っている自宅がある場合は、生活保護を受けることができません。

生活保護の申請時に三親等以内の親族には「扶養もしくは援助が可能か否か」という扶養照会が行われます。この照会によって家族や親族に生活に困窮していることがバレてしまうのが嫌で申請をためらう人は少なくありません。

厚生労働省が8月3日に発表した2022年5月分の「生活保護非保護者調査」によると生活保護の受給者数は202万3336人で、高齢者については、91万1340人という結果になっています。

また、生活保護を受けている高齢者世帯のうち約92%は単身世帯となっています。

ポイント

  • 生活保護の受給者のうち5割が高齢者世帯
  • 要件を満たすと8つの扶助を受けることができる
  • 医療費や介護費が無料、税金などの支払いも免除される
  • 最低限の生活が保証される代わりに、居住地や所有物の制限などデメリットも存在する
  • 生活保護受給者でも老人ホームなどの施設を利用することはできる

熟年離婚という問題

熟年離婚に明確な定義はありませんが、一般的に年齢が50代以上で、20年以上連れ添った夫婦が突然離婚することを指すようです。

離婚時の慰謝料相場は結婚5年未満だと平均で193.1万円程ですが、15年以上~20年未満で約534.1万円、20年以上で約699.1万円と跳ね上がります(厚生労働省「人口動態調査統計」)。

もちろん、ケース・バイ・ケースで慰謝料を払う側の年収や職業、年齢によっても金額は変わりますが、婚姻期間が長くなるほど、慰謝料は高額になる傾向があるのは確かです。

「離婚の際は慰謝料を請求できる」と考える方は多数ですが、離婚に際する慰謝料請求が認められるのは法定離婚事由(不貞行為・DV・悪意の遺棄など)にあたる場合と考えるのが一般的です。

『年金分割』

年金分割とは、婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金記録を分割して、それぞれの年金とすることができる制度です。

婚姻期間中の厚生年金記録を対象とするため、国民年金記録はもちろん、結婚前の厚生年金記録も分割できませんので、婚姻期間が短いということは、分割できる期間も少ないということになります。

老後破産・下流老人ならないためにすべき事

現役時代からの準備により、最悪の事態を防ぐことができます。特に注意すべきは「貯金を増やす」「働き続ける」「健康を維持する」の3つと言えます。

生活費などの流動費ではなく、住居費や通信費、水道光熱費、保険料といった毎月固定で発生する「固定費」を削減することから始める事が必要です。

ポイント

  • 老後生活の収入と支出を把握する
  • 計画的に老後資金を貯める
  • 妙なプライドを持たない
  • 友達を積極的に作る
  • 様々なコミュニティに顔を出す
  • オープンマインドであること

まとめ

高齢で働けなくなれば、貯蓄を使うか、家族の扶養か、社会保障に頼るかしかありません。

この2年間で生活保護が増えているのは高齢者世帯だけだという事実があります。今の若者は非正規労働者が多く、貯蓄ができないので貧困化していリスクを多分に含んでいます。核家族化も進んでいるので頼れる家族も少ない状況下の中で将来的に貧困の高齢者が増えるのは必然と言えます。

老後生活の収入と支出面を把握した上で、必要に応じて働きながら年金を受け取ることも視野に入れておく必要があるといえるでしょう。

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